叶わない恋。
「夏希をいじめていたのは赤井みどりです。
前から夏希は赤井みどりが嫌いだって言ってた。
多分、ってか絶対赤井みどりは陸のことが好きだと思う。
だから陸と仲が良い夏希に目をつけたんだ。
それでいろんなことされてた。
でも私にはどうすることもできなかった。
ある日にね……?
”陽菜とはもう一緒にいられない。
絶交しよ…。”
って言われちゃったんだ。
私…なんにも言えなかった。
最初は夏希が頭どうなっちゃたのかと思ったよ?
だけどね、私…分かったの。
夏希は私に危害を加えられないかって心配したんだと思う。
夏希は私を守ってくれたんだと思う。」
やっぱり夏希は強すぎる。
なんでそんなにたくさんのことを1人で抱え込むんだ?
どうして…??
なんで……??
陽菜は続ける。
「移動するときに赤井みどりと夏希の声が聞こえたの。
それで私は陰から2人の様子を見てた。
そしたら…夏希は…自分から……」
陽菜の涙が勢いを増す。
そのせいでまた途切れる陽菜の言葉。