叶わない恋。
「赤井みどりは陸のこと好きだったんだよ。
それで陸と仲が良い夏希に目をつけた。
だから陸が責任感じないように、夏希はみんなに言ったの…。
”陸にこのことは絶対に言うな”って。
”陸には心配かけたくない”って、言ったの。
夏希はみんなの犠牲になったんだよ…。」
陽菜の目には涙が溜まっていた。
だけど陽菜は涙を流さないように上を向く。
「赤井みどりにいじめられて学校をやめた子たちの敵を取ったの。
またイジメが起きないように、
自分が最後の犠牲者になったの…。
体を張って最後の犠牲者になったの…。」
陽菜は赤井みどりと一緒に行動していたやつらを睨む。
「赤井みどりだけじゃないよ。
あんたたちだって悪いんだ…。
一緒におもしろがってたんでしょ?!
1人で苦しむ夏希を見ておもしろがってたんでしょ?!
あたしはあんたたちを許さない…。」
低く鋭く呟いた陽菜。
陽菜の目から1滴の涙が零れた。
「あたしたちは悪くない!!」
赤井みどりの仲間の1人が叫んだ。
「ふざけないでよ?!」
陽菜も負けじと叫ぶ。
今にも掴みかかりそうな陽菜。
「悪いのは全部みどりなの!
あたしたちは悪くない!!」
「一緒にいたじゃない!!
それでも悪くないなんてよく言えるわね。」
陽菜はもう自分を見失っていた。