叶わない恋。
【バンッ】
俺は教壇を思い切り叩く。
『いい加減にしろよ。』
そして呟いた。
「でも桐ちゃん……」
陽菜の目からはもう涙が止まらなく溢れていた。
『陽菜…落ち着け…。
お前らだって悪いと思ってるだろ?』
俺は赤井みどりの仲間の方を向いた。
そうするとみんな涙を流していた。
『多分今回の件で赤井は学校をやめるだろう。
これは仕方ないことだ。
赤井が今までやってきたことの償いだ。
夏希はこのクラスでも中心的な人物で、
すごくプライドが高くて、
すごく強いヤツだ……。
みんなも知ってるだろ??』
クラスの大半のヤツが泣いていた。
そして俺の問いかけに頷いている。
『知ってるのにどうしてアイツを止めようとしなかったんだ?
アイツが1人で立ち向かうことくらいみんな分かってただろ?
いや…ごめん……。
今の言葉は撤回する。
本当は俺が気づくべきだったんだ。
みんなに辛い思いさせて、
夏希にも辛い思いさせていた。
担任なのに気づいてやれなかった。』
俺の目からも涙が溢れそうだった。
でもみんなの前では泣かないと耐えた。