叶わない恋。
『ホントごめん…。
俺がちゃんとお前らのこと見ていたら、
気づいていたはずなのに気づいてやれなかった。
担任失格だよな……』
「桐ちゃん!!」
そこへ陽菜の声。
「何バカなこと言ってるの?
誰も桐ちゃんが担任失格だなんて思ってないよ?
もっと自信持ってよ。
こうやって説教してくれる桐ちゃんがみんな大好きなんだから。」
陽菜はニコッと俺に優しい笑顔を向けた。
充血した真っ赤な目で。
『なんか生徒に励まされるとか微妙だな。』
俺は頭をかく。
そうするとクラスに起こる少しの笑い。
『お前らちゃんと笑えるじゃん!
ん…。良かった……。
今回のことは内密にしといてやれよ。
赤井も、きっと夏希もそう言うはずだから。
ただ1つ。
笑顔を忘れるな。
辛いことがあっても笑えば忘れられるから。』
俺が言い終わると同時にチャイムが鳴った。