叶わない恋。
陸と桐ちゃん 【夏希】
『失礼します。』
そんな声が聞こえて誰かが保健室に入ってくる。
あたしは急いで布団に潜った。
『陸!夏希どう??』
声の持ち主はどうやら桐ちゃんらしい。
『今狸寝入りしてる。』
陸はそう言って布団をはがした。
「陸っ!なんでそういうことするの~」
あたしは起きあがろうとする。
だけどまた背中に痛みがはしった。
『はい、無理しないで寝てなさぁ~い』
桐ちゃんに言われ素直に布団に横になる。
「夏希?!元気になった??」
そこへ現れた陽菜。
「あ…まあ元気だよ。
迷惑かけてごめんね??」
陽菜があたしを発見してくれた、と聞いて謝る。
「何言ってるの?
あたしたち友達じゃん!
当たり前のことしただけだって」
陽菜はそう言っていつもの太陽のような笑顔をあたしに向けた。