叶わない恋。
『じゃあ部活終わったことだし、みんな帰ろうな。』
桐ちゃんは友美の鼻血が止まりその後かたづけを終えて言う。
『夏希、歩いて帰れないだろ?
俺が車で家まで送ってくよ。』
あたしは首を大きく振る。
桐ちゃんと2人きりなんて…絶対無理…。
『イヤでもダメなんだって…。
一応担任だし、このことご両親に言わなきゃいけないから。』
桐ちゃんはなんで拒否するんだよ?と、でも言いたそうな顔をしている。
「でもうち…多分親いないよ??」
きっと今日も病院でしょ…??
『今日は兄貴いないの??』
あたしの言い方を真似する桐ちゃんに少し苛つく。
「兄貴は…いるかもね。」
あたしは桐ちゃんへ鋭い視線を向ける。
『じゃあお兄さんに言うから!
と、言うワケで俺が車で送る。』
結局そうなるんかいっ!と、心の中でツッコむ。
『じゃあ俺も着いてく!!』
そこへすかさず陸が入ってくる。
『はぁ~しゃあないな…』
桐ちゃんはめんどくさそう。