叶わない恋。
『お前の兄貴、おもしろい人だな。』
桐ちゃんはクククッと楽しそうに笑っていた。
『で、夏希がなんか迷惑かけちゃってすみません。』
兄貴はお茶を出すと正座をして頭を下げた。
『こちらこそ、なんか夏希さんの異変に気づかなくてすみません。』
桐ちゃんも頭を下げる。
うん、不思議な光景だ…。
『ねぇ…2人とも頭上げたら??』
2,3分ずっと頭を下げたままの2人に陸が声をかける。
『夏希!この先生が桐ちゃんだろ??』
兄貴は嬉しそうに聞く。
「あーまあそうだね。」
桐ちゃんを見るとあたしを睨んでいる。
『桐ちゃんって呼んでもいいですか?!』
突然の兄貴の発言に桐ちゃんは驚いている。
『……………………』
そして桐ちゃんは何も言えない様子。
だって呼ばないでください。なんて言えないじゃん?
だからっていいですよ。とも言えないからね。
兄貴もナイスな質問するよ…。
「なんにも言わないからいいんじゃない?」
あたしが言うと
『夏希!!』
と、桐ちゃんに言われ
『桐ちゃん!!』
と、兄貴が呼んだ。
そしてあたしと陸は大爆笑だった。