叶わない恋。
『桐ちゃん、またいつでも遊びに来てね。』
『うるさい。仁』
ホンの20分くらいで本当の生徒と教師のような関係になった兄貴と桐ちゃん。
『仲良いよな、あの2人。』
陸は兄貴と桐ちゃんを指さす。
「そうだね」
あたしは陸を見上げニコッと笑う。
この笑顔が本当の笑顔なのかは分からない。
もしかしたら作った笑顔かもしれない。
でもきっと陸はあたしのこと幸せにしてくれる。
そう自分に言い聞かせた。
『じゃあそろそろ帰るか。』
桐ちゃんは兄貴の相手が疲れたのか立ち上がった。
そして陸も立ち上がる。
『じゃあな!夏希!!』
と、陸。
『また学校で…。お大事に。』
と、桐ちゃん。
あたしはそんな2人を手を振って見送った。