繋がる明日。


「…高校、決まったの?」
「うん。桜高校行くんだ」
「…知ってる」
「そう…」

会話は途切れてしまった
なんとなく気まずい雰囲気

宮本くんが立ち上がる

「谷津…ってさ」
窓の外の野球部を眺めて
そのまま話しかけてくる

「志賀のこと、好き?」
「…は?」

思わず出た声が馬鹿っぽい

「なななんで急に…」
「好きなんだ」
「え?」
「…谷津が」

あたしを振り返って
真剣な瞳で言う宮本くんを
ただ見つめ返すしかない

「あたしはっ…」
その続きが…出てこない
言いたいことはあるのに
言葉にならなかった

< 15 / 31 >

この作品をシェア

pagetop