指切り~in幼なじみ~
まずは机の中。
と思ったけどあまりの汚さに断念した。
翼の部屋は汚い。
片付けろいうものの屁理屈ばっか。
「汚いんじゃねーから。生活感あるだけだよ」
これが翼の決まり文句だ。
続いて、クローゼットの中。
ここはあまり汚くない。
だって、この中に入ってるはずの服たちは床に散乱してるから。
「うーん、……なんもないか」
結局、ベッドの下を探しても本棚を探してもなにか見つかることはなかった。
ただ、1冊のアルバムを除いては。
それはあたしと翼が一緒に写ってる写真を集めたものだった。
ペラペラとページを進めるたびに昔を思い出していく。
翼と水遊びしてる写真、翼と花火してる写真、翼と小学校に入学したときの写真。
それらを食い入るように見ていた。