愛シ病
診察室の中は病院の中でも異様な臭いで埋め尽くされていた。私の目から無意識のうちに涙が零れ落ちた。
『もう…泣くことないでしよ?』
お母さんは私の手をぎゅっと握り締め私の頭を数回撫でてくれた。だって…不安なんだもん…。
私は私に問い掛けた。
大丈夫だよ…ね?私の中の私。それでも私の中の私は私に何も言ってくれはしなかった。
きっと私の中の私はこの後の悲劇を知っていたのだろう。
数分の診察医の質問に私とお母さんは素直に答え…体を調べられた。
医者は困惑に顔を少し歪めた後…重い口調、しかしまた不安に駆られる…業務的な言葉使いで…。
『体に異常は有りません。しかし…もしかすると精神に病が巣くっている可能性が有ります。最近…見つかった…《愛シ病》と言う…病に…』

母の顔は青ざめていた。そして訳が分からないという顔をしていた。数秒の間を開けた後母は訪ねる…。
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