君と空と私。
01.君
キーンコーンカーンコーン…。
「空ー。授業終わったよー。」
「んー…。」
あたし、平野 空。16歳の高校1年生。
ついさっきまで、理科の授業だったみたい。
あたしは眠気に負けて寝てしまったから、何も聞けて無い。
あ、でも後悔はしてないかな。
起こしてくれたのは、しっかり者のお姉さんタイプの山本 未来ちゃん。
あたしの大親友で、運動神経もよくって、周りからモテモテ。
あたしとは、正反対の存在。
「未来ちゃーん。あとでノート写させてー。」
「んもー…、空はマイペースすぎ!!なのにテストの点数いいとか…。」
大声で、ずるい!と叫んできた。
返事を返すのがめんどうだったから、いつもの通りにスルーした。
「あ、そーだ。今日さー、外で昼ごはん食べよー。」
「あんたスルーしたくせに…!!……まぁいいや。外でたべよっか。」
そういうと、微笑んでくれた。
つられて笑ったあと、鞄からお弁当を取り出した。
「あれ、空、今日お弁当?」
「そーだよ。久しぶりに自分で作った。」
「偉いね…。うちは、今日もパン買って来た。」
「栄養バランスが悪いですねー。」
歩きながら、そんな話をしてると、遠くから、未来ちゃんの名前を呼ぶ声が聞こえた。
170cmはあると思う身長。綺麗な黒色の髪。片手には、教科書を持っている。
あれは、未来ちゃんの彼氏さんだ。
「あ、直人!どうしたの?」
「あのさ、今日の放課後、暇??」
「暇だけど??」
「じゃーさ!!放課後デートしようぜ。」
「はぁ!?」
いきなりのお誘いに、驚いて言葉の出ない様子の未来ちゃん。
彼氏の平木 直人君は、その様子を見て、爆笑した。
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