使い捨て同盟

 学校が終わると、真っ先に向かう場所がある。


 『使い捨て同盟』


 私はいつもここに行く。

 毎日、ここに行く。

 ここが、私の仕事場。



 カランカラン…


 「あ…恭子ちゃん」

 「こんにちわ」

 小さな喫茶店のような店舗。

 ここが『使い捨て同盟』。

 メンバーは全部で7人。

 名前を呼んだのは会長のサトミさん。

 二児の母でシングルマザー。

 「恭子ちゃんは、今日何件?」

 「今日は3件です」

 サトミさんはいつも私に優しくしてくれる。

 「恭子もサトミも女なんだから気をつけろよ?」

 コーヒーカップを置くと同時に話すのはユウジさん。

 元プロボクサー志望の暇な非常勤講師。

 「ユウジは?今日何件?」

 「今日は1件もない…受付のみかな」

 「ふ~ん…女って案外頭いいのね」

 「そうか?多いときは10件以上…秋は特にな」

 「じゃあ今日は私と恭子ちゃんだけね」

 「はい」

 「あ、俺外でお客さん待たせてるんだ」

 「バカッ!!!なにやってるのさ!!!」

 サトミさんの怒号とともに今日の仕事は始まった。
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