ButterFly
痛む胸を必死で隠しながら
車に乗り込んだわたしは 素朴な疑問が生まれた。
「あれ・・・部長さっき お酒・・・」
「あぁ、あれはダミー・デイジーっていう ノンアルコールカクテルだ」
だから心配しなくていいよと わたしの頭をぽんぽんと叩いた。
心臓が跳ねる。
呼吸をすることさえも苦しくなる。
さっきまでの辛さとは違う。
胸が痛い・・・
思わず 離れていこうとする 部長の手をつかんでしまった。
「・・・どうした?」
「あっ、いえ、あのっ・・・」
思わず腕を離した。
「すっ・・・すみませ・・・「誘ってんの?」
「え・・・?」
すると彼は 顏を近づけてきた。