ButterFly
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今 わたしの目の前には ニコニコと笑う 色っぽい男がいる。
「・・・驚いたよ、一人でずっと突っ立てるから」
あのあと、斎藤さんと別れたわたしは あのお店の前に来ていた。
「また、カイトと待ち合わせでもしてるの?」
入るか 迷っていたわたしの前に現れたのは・・・ 北原 理央さんだった。
「いえ・・・今日は一人で・・・」
すると彼は ウイスキーを飲み干すとおかわりねとマスターに告げた。
「・・・で、まいちゃんは ただお酒を飲みに来たって感じでもなさそうだけど?」
全て見透かしてるかのような目で じっと見つめられ 思わず逸らしてしまう。
「カイトは あんまりここにはこないよ」
おかわりを受け取った理央さんは上機嫌で 口元にグラスを持っていく。
「部長とは どういうご関係なんですか?」
すると彼は口元を上げ 「気になる?」と言った。
「あ、いや・・・「カイトとは 高校 大学の同級生」
かれこれ10年位の付き合いになるかなと 付け加えた。