ButterFly






理央side



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「あーあ、やっちゃった」




イケル口だと思って勧めた ウイスキーを馬鹿みたいに飲んで



潰れてしまっている 美しい顏した・・・子猫。




この猫は いつもどこか悲しい目をして笑うんだ。




どこか影があるような・・・





まぁ、タイプでもなければ 好きでもないんだけど ほっとけないというか。





・・・・・・影のある 美女ってとこかな。




まぁ、俺には関係ないんだけど。








この子猫のことを 彼女ではなく部下だと言い張ったカイト。




のくせに ちゃっかりポートワインなんか勧めちゃってるあいつ。





俺の前で 餌付けすんなって感じ。




・・・そもそも この猫は ポートワインの意味なんて知らないと思うけど。





でも、 そのワインを気にいちゃったこの猫は 会うたび




カイトのことを好いてるのがわかる。




まぁ、当たらない 男の勘ってやつ?






「っち、めんどくせ」





俺は素早く携帯を出すと 加賀沢 海斗を探し通話ボタンを押した。





何回目かのコールで出たカイトは 明らかに疲れた声をしていた。








「猫、預かってる。早く取りに来いよ」






それだけ言うと 通話終了のボタンを押し



子猫が残したウイスキーを 一気に飲み干した。





「うっす・・・、こんなんでよく潰れれるな・・・。」





「理央くんは 強いからね」



とニコニコ笑うマスターにおかわりと告げる。





いつものようにマスターは グラスを受け取ると笑顔で作業をはじめた。






俺は すっと視線を落とし眠りながら目を濡らす子猫を見る。






そして そっと 子猫の頬を拭った。








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