ButterFly
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「ん・・・」
わたしは うっすらと目を開けると いつもとは見慣れない場所にいることに気づいた。
当たりを見渡すと ・・・美しい顏の彼が わたしの横で眠っている。
思考をフル回転させてるのにも関わらず 状況が読めない。
・・・なんで彼がここに? しかも・・・なんでホテル?
昨夜の 出来事をピースのように当てはめていくが
・・・記憶にない。
そして、相変わらず わたしの心臓は 朝からというのに どくんどくんと波打つ。
わたしの視線に気づいたのか うっすらと目を開けた 部長は
「おー、起きたか?おはよう」
と なにごともないかのように言うと 寝返りを打ち向こうをむいてしまった。
その寝起きの声、仕草にもきゅんとするわたしは 重症なのだろうか。
「あ、あの なんで・・・」
すると彼は一瞬 動きを止め もう一度こっちを向くと 眠そうな声で言った。
「理央から連絡入った。 潰れちゃったから迎えに来てくれって」
わたしは 一瞬 理央という言葉に反応し 考える。
頭がズキズキと痛い。
・・・あぁ、昨日 浴びるように飲んだ ウイスキーのせいだ。
「す、すいません。ご迷惑お掛けして・・きゃっ」
いきなり手を引っ張られバランスを崩したわたしは 部長の元に引き寄せられた。
「もう少し・・・寝よ」
彼は 溶けてしまいそうな声で そう言うとすっと目を閉じ
わたしを包みながら 寝息を立て始めた。
「・・・ずるいひと・・・」
わたし手は彼の頬に触れていた。
そして 美しい顏を見つめた後 眠っている彼の頬に
・・・まるで 夢のなかで彼がしてくれたように
そっと・・・くちづけをした。