ButterFly










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理央side




俺が世話を焼いた 金曜日の夜から2日後の日曜日





珍しくプライベート用の携帯がなった。





名前表記は ない。 ・・・だが、すぐに予測はつく。




「もしもし」




「あ・・・水野です。 水野 舞衣です。」





電話越しに聞こえる澄んだ子猫の声。




俺が世話を焼いた子猫。





「お、まいちゃん。どうしたの?」





わざとらしく まいという名前を強調すると





隣にいる 加賀沢 海斗は まっすぐに俺を見た。







「あ、えっと・・・先日はご迷惑をおかけしました・・・」






そして俺は 次の金曜に彼女をお誘いしてみることにした。






・・・さぁて、カイトはどんな反応するかな?






電話を切り 俺は軽く 息を吐くと携帯をしまった。





「・・・んだよ、気になんの?」





さっきから 俺を見ては 難しそうな顏をしている 子猫の上司に挑発的な態度をとる。






「・・・別に?」





そんな白白しい 態度なんかとるから 試してみてやりたくなったんだ。






「じゃーさ・・・俺が








子猫ちゃん食っちゃっていい?」









頬ずえしながら いつもの笑顔でカイトを見る。








・・・半分本気で 半分冗談。







するとカイトは 一瞬驚いた顏をしたあと 真剣に俺を見た。













初めてみせるカイトの真剣な顏に 俺は思わず笑ってしまう。









「っは・・・ははっ・・・








冗談だよ、冗談。









俺は子猫なんてタイプじゃないんでね。」







・・・半分本気で 半分冗談。






そして ウイスキーを 一気に飲む。




カイトも グラスを口元に持っていく。







そしてカイトは少し悩んだ挙句携帯を取り出す。






・・・どこにかけるなんて 検討付いてるけど あえて知らないふり。






俺の 空になったグラスにはいった氷は





少し悲しげに カランっ・・・と 音を立てた。












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