ButterFly
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「美味しい・・・。」
目の前には 今まで味わったことのないパスタと
ニコニコと白ワインを飲む 色っぽい男。
「そりゃ、よかった」
「・・・理央さんは食べないんですか?」
まだ、半分ほど残っているお皿に視線を落とす。
すると彼は苦笑いを浮かべ
「あー、俺 呑むと食べれなくなっちゃうんだよね」
とワイングラスをわたしに見せた。
確かに、今まで彼が 何かを食べている姿は見たことがない。
「・・・だから、細いんですよ」
「そう?男にとっては 普通だと思うけどな」
「まぁ、確かに男性は細い方が多いですけど・・・」
部長の体のラインを思い出す。
すると彼は興味深そうな顏をわたしに向けた。
「今、誰のこと思い浮かべたの?」
顔を覗き込まれはっとする。
「いえ、特に」
危ない、危ない。
彼の前で油断は禁物だ。
......どこまで見破られているかわからないのだから。
すると彼は
......いつもより渇いた笑みを浮かべた。