ButterFly








「・・・・・・何してるんだ?こんな時間まで」



澄んだ声が 暗闇に吸い込まれた。



振り向くと そこには スーツを少しだけ着崩した
噂の.....加賀沢部長が立っていた。


「あ、お疲れさ...「こんな時間まで何してる?」



わたしの声は澄んだ声にかき消された。



「明日の会議に必要な書類をまとめてました」




カツン カツン カツン


近づいてくる 彼の足音

同時にムスクのきつい香りがした。



「....もう、終わりますので..すみません」



途切れ途切れに言葉を発す。



視線をパソコンに戻し 書類の残りを完成させようと
急いで手を動かそうとする。




・・・だが、それは彼の少し冷たい手によって遮られた。








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