ButterFly

chapter 2






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「あら、早いわね」



隣のデスクの 柏崎 香織は 少し驚いたような声で座る。



相変わらず、 挨拶はしないらしい。





「 今日の会議の書類が「見てー、昨日 美容院行ってきたの」



そして、相変わらず 人の話は聞かない。



自分で聞いたんだから 聞けよって思っても

笑顔で話を聞く わたし。


優等生のわたし。




「とても 似合ってますね」



そうやって生きてきたわたしにとって

本音を出すことが 怖くなっているのが事実。



「あら、会議が始まるっぽい」


柏崎さんの声で 現実に引き戻されたわたしは



書類原稿を あの彼の元にもっていかなきゃいけないことを思い出した。




そう考えるだけで 心臓が痛い。





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