緑の食事風景
食べながら見上げると、頭上を桜の若葉がすっかり被っていた。


その葉が初夏の青空を小さく切り取り

ある部分は陽を受けてやわらかく輝き

別の所では影を作り

またある所は陽光に透けているようでもある。


そんな新緑の瑞々しさや切り取られた青空が、自分の周りの空気に溶け出しているように思われ

それを吸い込んでみたくなって、私は何度か深呼吸をした。


会話なんか無くても
楽しい朝食だった。
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