緑の食事風景
覚えていないのなら尚更

これだけは言っておかねばならない。


私は努めて笑顔を作り続けた。


「お母さん、いつも私を家に置き去りにして出掛けてたよね」


「あぁ。でもあれは、別に遊び歩いてたんじゃなくて……」
「あのときの事、一生許さないから!」


それだけ言うと、私は足早に病室を出て行った。


背後で母が何か言っていたが、耳を貸すはずも無い。
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