すべてを愛して




「俺、隣のクラスの山本優斗。覚えてね?」


「あ…志田百恵です」


「知ってる。あと、敬語いらねって」


「は、はい」


「また使った」



私、何やってんだろっ…



「そんじゃね」


そう言って、立ち去ろうと踵を返す山本くん



「や、山本くん!」


「ん?」


「ありがとう!」


私の言葉に、あの笑顔を向け


「もう無くすなよ」


手を上げ、出ていった。




山本優斗、優しい声、無邪気な笑顔




これが私たちの出逢いだった
< 11 / 23 >

この作品をシェア

pagetop