絶対裏校則
「っなせよ…離せっつってんだろ!?」

一生懸命振り払うが、その度にこの男が何度も何度も抱きしめる。

同情なんかいらない。
あたしはずっと独りだった…誰の助けもいらない…けど…

「あたし…あたしっ…」

「悪かった…」

「え…?」

何で謝んの…?

「悪い…、お前の気持ち何も分かんねぇで怒鳴って悪かった…もう我慢しなくていい、思いっ切り泣け。お前の心ん中全部吐き出せ…お前は一人じゃねぇ、俺はお前の味方だ、お前が死んだら俺が悲しむ…だからもう二度とあんな真似すんな、いいな?」

「うっ…」

あたしは泣きながら頷いた。


何故だろう…ずっと遠い存在だった人がこんなすぐ傍にいる…本当は誰かにずっと頼りたかった…独りは嫌だった…だけどまさかこの男に頼るなんて…



ずっと羨ましくて憎くて…



一生関わる事は無いって思ってた人が…




あたしを優しく包んでくれて…空なんかよりずっとずっと…あたしの心を晴らしてくれる…


暖かい腕の中であたしは…彼に恋しそうになった



でもきっと結ばれる事はないだろう…





なんとなくそんな気がした





そしてこの日をきっかけにあたし達は仲良くなった―――
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