絶対裏校則
「あの…、すんません」

別に悪い事した訳じゃないけど申し訳なさそうに言った。
その途端、男性たちが一緒にいる女性にヒソヒソ話し始めた。

俺と翼はお互い目を合わせた。

ヒソヒソ話しを終えたかと思うと女性が俺たちの方に歩み寄ってきた。

「あなた達、浅倉慶くんと大森翼さんね?」

「ぁあ…そうだけど」

俺が言うとニコッとし、話し始めた。

「良かったわ。あなた達来ないんじゃないかと思ってたわ。あ、自己紹介がまだだったわね。私は北条麗華。この学園の生徒会長を務めてるの。よろしくね」

そう言って手を伸ばしてきた。俺はつられて反対側の手を出し、握手をした。

続いて翼にも。

「えっと…それからあなた達合格だから。試験は受けなくていいわ」

「「え!?」」

俺と翼はあまりにも吃驚して声を揃えて言った。

「ちょ、ちょっと待って下さい!試験を受けなくていいって…どうゆう事ですか!?」

翼に続き俺も聞いた。

「おい、合格って何だよ!!俺たちは試験を受けに来たんだ。受けなくていいって何だよ!?」

「それはまだ極秘なの。ごめんなさいね。とりあえず今日は帰っていいわ」

「じゃあ」と言って北条麗華と名乗る女と周りにいた男達が中に入って行った。

残された俺らは意味が分からず呆然と立ちすくんでいた…

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