絶対裏校則
「なあ~今日の朝飯何!?」

洗顔を済ませた翼が朝飯を作る俺のとこに来た。

「今日は目玉焼きとフレンチトーストだ!って…前から思ってたけど翼…」

「ん?」

ニコニコしながら返事をする翼に少しため息をついた。

「はあ…何で男の俺が朝飯作って女のお前が出来上がるの待ってんだ!?お前も手伝え!!」

ったく…朝から怒鳴せんなよ。疲れるっつーの。

「へ?僕も男だよ?」

翼はケロッとした顔で返した。

「何が「僕も男だよ?」だ!!男なのは中身だけだろ。まぁ…女の子らしぃ時もあるけど…ってそうじゃねえ!!お前は男だけど女だ!!分かったか!?」

ホント、こいつ女の子らしぃと思えば都合のいい時だけ男面する。

ホント…


いいようにできてんなぁ…笑

まあ、そんな翼だからこそほっとけねぇんだけど。

「慶、朝から怒鳴ったら体力なくなるぜ?カルシウム足りねぇんじゃねぇの?笑 やっぱカルシウムをとるには牛乳が一番!!」

そう言って「はい」と牛乳をパックごと渡してくる。
怒鳴りすぎて怒る気力をなくした俺はそれを全て飲み干した。

「ぶはぁ!!」

「どう?」

翼が俺の顔を覗き込みながら聞いてきた。

「おう。何かスッキリしたわ」

それは本当で、さっきまでのイライラが嘘の様に綺麗に消えた。

俺は正直、翼にあたっていた。あんな裏校則が出来てからは毎日麗華や涼子に監視され、クラスの女子にはつけ回され、ほとんどの自由が奪われていた。
好き勝手はやっているものの、上手くいかない事の方が多い。
この先、どこまで自由がきくかは分からない…
翼の身も心配だ…

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