絶対裏校則
「なぁ、慶!!あそこ行こうぜ!!」

翼が指差すのは射的専門のゲームセンター。
女の子らしいのはやっぱ朝だけか…笑

「いいけどお前、金あんの?」

「あ…」

翼は手ぶらで来ていた事をすっかり忘れていたらしく、ショックを受けていた。

「ったく…金持ってねぇくせに行こうとかゆうなよな」

俺は仕方なく翼を連れてゲームセンターに入り、お金を入れた。

「慶…マジお前大好き!!」

「お、おい、一々抱きつくなって」

俺達の行動を見た周りの客が変な目でこっちを見る。
無理もない、翼の格好はどう見ても男の格好で髪も短い。
周りから見れば男同士が抱き合っているようにしか見えない。
俺は恥ずかしくなって翼の両肩を持ち、少し押した。

「お前なぁ、こうゆうのは家だけにしろ」

「何で?」

キョトンとする翼が妙に可愛くて呆れるどころか逆に自分が翼を抱きしめたくなった。
俺は行動を起こす前に翼の腕を掴み、ゲームセンターを出た。

「ちょっ、慶!!まだゲームやってねぇのに!!」

「うるせぇ!!もう帰るぞ」

こいつといると俺の理性がおかしくなりそうだ。
それにいつ、あいつらに出会すか分からねぇ…外はやっぱり危険だ。俺の理性も…笑

「慶~もうちょっと……ドカッ…い゛だっ…おい、慶!!急に立ち止まんなよ…って慶…?」

翼の言葉を途中に、俺は前にいる奴にビックリしてそこから動く事が出来ない。

翼も俺の驚く顔を見て、前を見た。

「へぇ~休みの日も一緒なんだ」

「りょ、涼子…」

翼が一歩下がりながら言う。

そう、俺達の前には涼子が立っていた。
まさか本当に出会すとは思ってもみなかった。
終わった…と、俺だけじゃなく翼も思っていただろう。


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