絶対裏校則
「どうゆうことだよ!?翼が退学って…入学を許可したのはお前だろ!?」

涼子に翼を守ると断言してから2日目の朝、俺たちは会長…麗華の「特別室」に呼び出された。
「特別室」は会長や、副会長に目をつけられた者だけが入るところだ。
まさかここに俺たちが入ることになるとはな…

「あなたが悪いのよ。校則を守らないのが」

「麗華さんの言う通りよ。ただでさえ許可無く校内で一緒に居るのにプライベートまで一緒なんて許される訳ないでしょ」

麗華も涼子も今度ばかりは黙っていられないようだ。
翼はショックで何も言葉が出ないのか、何も言わずずっと俺たちの会話を聞いている。

「じゃあ…どうすれば退学は取り消してくれんだ?」

「そうねぇ…」

そう涼子が呟くと麗華が涼子に質問した。

「ねぇ、涼子、あなた慶様の事随分気に入ってるみたいだけど付き合いたいとか思わないの?」

思いがけない質問に俺と翼、そして涼子が麗華の顔を見た。

「れ、麗華さん!!そんな慶ちゃんの前で…」

涼子は焦った声でつい、「副会長」である事を忘れて頬を赤らめた。
それを察するかのように麗華が話始めた。

「ごめんなさい。でもそれなら話が早いわ。慶様、今日からあなたは涼子の恋人になってもらうわ。それが退学を取り消す条件よ。涼子もそれなら納得でしょ?」

「え!?あ、はい!!嬉しいです!!ありがとうございます!!」

麗華の言葉に驚いたが、それもほんの一瞬だけで、その気になった涼子はもう副会長ではなく、いつもの「涼子」だった。

「慶ちゃん、いいでしょ?大森さんを守る為ならどんな事でもするんでしょ?」

そうだ…翼の為なら…

「ぁあ…分かったよ」

こう返事するしかなかった。
この言葉を聞いた翼の目には涙が溜まっていた…


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