絶対裏校則
あの後、口論は周りのやつらのお陰でおさまった。

優奈には

「何でOKしたの?麗華さんの命令だから?」

とか色々問われたが、俺は迷わず

「翼の為だ」

と言った。

すぐ言い返してくるかと思ったが、優奈は

「やっぱりあの子には叶わないのかな」

と呟くように言った。

それがどんな意味なのかは分からない。
ただ、その時の優奈は何処か寂しげで…
俺は聞き返そうとはせず、聞こえないフリをして席に戻った。




そして放課後―――――

皆も帰り、教室には俺と翼…いや、俺と涼子だけが残された。

翼はHRが終わるとそそくさと帰って行った。


俺は机にある教科書類を鞄にしまい、教室を出ようとした――

「待って!!慶ちゃん!!」

涼子は俺を呼び止めると急いで鞄に教科書を詰め込む。

「一緒に帰ろっ?」

駆け寄ってくるなり、可愛く言う涼子にドキッとする訳でもなく、

「わりぃ。今日は一人で帰るわ」

と言い、教室を出て行った。


後ろから涼子が俺を呼ぶが、一度も振り向かずただ、翼の事だけを考えていた…
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