絶対裏校則
「なっ…」

俺は一瞬固まった。

目の前には、ニコニコして「おはよ」と言う涼子が立っていた。

「お前…何で…」

驚きの隠せない俺は途切れ途切れに言う。

「へへっ♪慶ちゃんと一緒に登校したくて麗華さんに頼んで調べてもらったのw」

平然と言う涼子に俺は何も言葉がなかった…

まずい…今、このタイミングで翼が来たら大変な事になる――

俺は焦るように…いや、焦る気持ちを抑えながら

「ちょっと忘れ物したから取りに行ってくるわ」

とごまかした。

「分かった!じゃあここで待ってるね!」

と涼子の返事を確認し、ドアを閉めようとした―

その時―――――

「慶、さっきから誰と喋ってんだ!?あ、もう用意できたから行こうぜ♪……って…え…?」

髪の毛をセットし終えた翼は洗面所から出てくるなり、涼子の存在に気付き驚いている。

涼子もまた、翼を見て「何でいるの?」という顔をしている。


「えっと…あれだよ、涼子…」


やっべぇ…これ以上言い訳のしようがない……

俺が焦っていると、涼子が口を開いた。

「何で二人共驚いてるの?二人が一緒にいるとこ見られたから?別にいいよ、気にしなくて」

俺と翼は意外な涼子の言葉に、再び驚く。

何か企んでいるような…


そんな気がしたから…
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