絶対裏校則
学校へ着くと、校門入ってすぐのとこで人の群れができ、ざわめく生徒達。

俺達は気にせずそのまま校舎の中に入ろうと、群れの横を通った。

それに気付いたみんなはヒソヒソと何かを話していた。


「あの二人がまさかね…」

「どうせあの女が勝手に押し入ったんじゃないの?」

「いや、でも慶のやつも随分、大森に慕ってたからなぁ」

微かだけど聞こえる。
何が言いたいのかは聞かなくても分かる。

どうせさっきの事だ。

恐らく、涼子が吹き込んだのだろう…

でも…何でこんなとこで群がっているんだ?


「け、慶…あれ…」

そう言って翼は群れの先にある黒板のような物を指差す。

指の差す方を辿っていくと、そこには俺達が一緒に家を出て行くとこの写真、前に涼子に見付かった時にゲーセンで翼が俺に抱き着いたとこ、昨日家で翼を抱きしめていたとこ…

まるで俺達の仲を見せびらかすような…そんな写真がずらりと張り出されていた…


いつ…誰がこんな写真を…


俺は翼の手をとり、校舎ではなく、校門へと足を動かせた。

「逃げる気?」

その言葉でピタッと足を止めた。
翼もまた、俺に合わせ足を止める。

そして、俺達は後ろを振り返った…

するとそこには腰に手を当てた涼子が立っていた。
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