赤い林檎
「美宇ちゃーん!」
「……え?あ、紫音さん、瑠色も!」
「学校まで乗せてあげるからおいで。」
「やった♪じゃあ、お願いしまーす」
そう言って信号がチカチカし始めたので、美宇が車の目の前を駆け足で通る。
そして、
「おはようございまーす」
と後部座席のドアを開けて美宇が乗り込んだと同時に信号も青に変わり、車が動き始めた。
「美宇、ごめんね…。」
「え~?あ、朝のこと?いいよ、いいよ。明日こそは一緒にいこうね」
「…うんっ!」
美宇は可愛いし、優しいし、賢いし。
中学のときは中二まで喧嘩してたし、それ以降は潤々がいたから誰も近付いたりしなかったけど、絶対モテる。
美宇はグレーのプリーツにネイビーのセータ、ブラウンのリボンをしていた。
標準服じゃない…のはたしかなんだけど…。
「美宇、その制服って…?」
「あ、これね。こういう制服が売ってるメーカーがあるんだよ。」
「…美宇可愛いっ!」
美宇の可愛さに、思わず助手席でキャッキャッと騒ぐ。