赤い林檎
「瑠色は変わらないね…」
「だって、私服とか制服着てたら声かけられるじゃん」
「「(ナンパされてる…)」」
「…ま、まぁ瑠色人見知りだもんね」
「うん…」
人見知りがなかったらっていうか、みんな普通に話し掛けるだけなら瑠色もいいんだけど。
男の子はみんなニヤニヤしてて嫌なんだよね。
あ、女の子は普通だったけど、瑠色の見た目こんな(喧嘩してたし、不良っぽい)だったからあんまり友達は多くなかったかな。
「翡翠でも、女友達出来にくいかも」
「「え、なんで?」」
美宇の発言に紫音とハモって聞く。
「紫音さんはわかるけど…瑠色、知らないの?」
「え、だからなにが?」
「翡翠ってね、不良が多いから女子少ないんだよ」
「え!?」
今の言葉に驚いたのは紫音だった。
「ってことは、クラスメートは野郎ばっかり?」
「…と、思います。二百人中、女子は五十人なんで。」
「……一クラス女子十人か」
「単純計算でそうなりますね」
はぁ~、と左手でハンドルを握りながら右手で少し頭を抱える紫音。