赤い林檎
「…女子の数なんて関係ないよ」
「え、なんで!」
びっくりしたように紫音が言う。
「だって瑠色には美宇と潤々がいれば、充分だもん」
「けど、潤は三年だから今年で卒業だよ?」
「う…」
美宇の言葉につっかえる。
たしかに友達は作った方が良いのかもしれない。
「私も一緒に作って上げるから、ね?」
「…じゃあ頑張って作る」
「うん、頑張ろうね」
友達、か…中学のときは六人ぐらいしか出来なかったなぁ。
「……友達って男もか?」
「え?まぁそうなるんじゃないかな」
「そうだよな…。遂に彼氏連れてきたりすんのか…。だ、駄目だ。心配すぎる」
「し、しないから!」
彼氏とか作んないもん!
そんな気持ちで紫音を見つめる。
「もし瑠色に彼氏出来ても私が見定めるんで大丈夫ですよ」
「だね…美宇ちゃん頼むよ。俺、心配すぎで寿命縮む。」
「はーい♪」
不安そうな紫音に、美宇が元気よく答えたところで翡翠学園高校の正門前に着いた。
いってきます、と車を降りて二人で紫音に手を降って、見送った。