赤い林檎
◇マドンナとか、当たり前。
門をくぐると、すごく視線を感じた。
興味の視線や、なにか妬みのある視線、好奇な視線がぐさぐさと痛いくらい刺さる。
「美宇……」
「…なんか、私たち見られてるね。」
「ん…今日は人いっぱい。」
「だね~。やっぱ不良っぽい金とか赤の頭がいっぱいいるね」
美宇の言う通り、金髪や赤毛、色んな色のメッシュのはいった頭がうようよ見える。
本当に不良学校だったとは…ま、売られた喧嘩は買うけどね。
「…今、喧嘩売られたら即買う!なんて考えたでしょ」
「え…なんで?」
「だって瑠色、嬉しそうな顔し「ちょ!も、守谷 美宇ちゃん!」……え?」
美宇の言葉を遮ったのはダークブラウンの髪をした男の子だった。
つか…誰?
「……え、誰?」
美宇も同じことを思ってたらしく、その男の子に話かけた。
「とにかく、こっち!」
と言いながらぐいぐい美宇を引っ張る茶髪男子。
いや、だから誰だよ。