赤い林檎
瑠色と美宇の勢いに流石に驚いたようで、
「…え、だって新入生代表で賢い上に可愛いから……」
と、かなりしどろもどろだった。
「だから私がマドンナって?」
「そう。だから不良と絡んじゃ駄…」
「この子、私の親友なんだけど。」
「え……?いや、でも男の友情なんて、」
「親友なの!」
無理矢理、掴まれていた男の手をほどき瑠色の腕にしがみついてきた。
「美宇…」
瑠色は美宇の口から“親友”なんて言葉が聞けて、もう物凄く嬉しいです。
じーん、と瑠色が嬉しいあまり幸せに浸っていると、
『一年守谷 美宇。登校していたら、至急生徒会室まで来るように』
と聞き覚えのある声で放送が入った。
……潤々だよ、この放送。
絶対美宇に会いたいだけなんじゃん。
少し強引な潤々に呆れながら美宇を見た。
「…ごめん、ちょっと行ってくる。」
瑠色同様に、そんな潤々に少し呆れた顔の美宇。
「……ん、いってらっしゃい」
「いってきます!」
けどやっぱり潤々に呼ばれることは嬉しいのか、にこにこと笑顔でぱたぱたと校舎に消えていった。