赤い林檎
「…お前、本当は美宇ちゃんの何?」
「は?」
美宇が見えなくなり、瑠色も校舎へと一歩足を進めると、さっきの男に声をかけられた。
「…なに。お前、まだいたの?」
「だから、お前美宇ちゃんの何?」
だ、駄目だ…会話が成り立ってない。
この男には美宇しか見えてないんだろうね。
「……………親友」
「お前みたいなちっちゃいのがか?本当は、ストーカーか何かじゃねぇの?」
瑠色が美宇の、ストーカー…?
ってか…ちっちゃいの?
この発言に今まで以上の怒りを感じた瑠色は
「……ヤられてぇのか?」
と、殺気をたっぷり含んだ目で睨んだ。
「ま、まぁこんなこと思うのは俺だけじゃねぇし…」
すこし怯えたように校舎に入っていった。
な、なんだったんだろう、さっきの男は…。
美宇のファン?
ってかもうファンいるんだったら早すぎなんだけど…新入生代表パワーだね。
なんて思いながら歩いていると、校舎につき、自分のロッカーに向かった。