赤い林檎





「男にしとくのがもったいねー顔だなぁ、おい!」

「………」


な、なにこの男。

いきなりわけわかんないし。


いきなり目の前でケラケラ笑い出した不良男に戸惑いを隠せなくなる。



そんな瑠色のもとに天使のような救世主が現れた。


「るーいーっ!」

ぶんぶんと手を振りながら瑠色に近づいてくる美宇と潤々。

…って、潤々!?


「おー瑠色、相変わらずなかんじだな!」

「…潤々もね」


瑠色の目の前にいる不良男を見てニヤついたあと、バシバシと瑠色の肩を叩く潤々。

潤さん、痛いですから。


そんな意味を込めて潤々を見る。

ってかなんで潤々ここにいんの?


「あ、潤に教室まで案内してもらおうと思って」

瑠色の目線に気付いたのか、美宇が口を開いた。


「…つーかさ、誰こいつ。瑠色の知り合いかなんか?」

「いや、どう見ても違うじゃん」

「だよな。で、お前誰?」

「あー、いや…。なんでもないっす!」


と、逃げるように去っていった。





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