赤い林檎
《第一章》
◆不良クラス?上等だ、こら。
「俺が教室案内すんのはいいけどさ、二人が何組か知らないんだけど?」
「え、美宇から聞いてないの?」
「あ、私言ってない」
「……」
美宇さん、あなた天然キャラでしたっけ?
「私たち1-Dだって」
「D!?二人とも三年になっても喧嘩とかしてたのか?」
「え…美宇はしてなかったよね?」
と、同意を求めるように瑠色より少し背の高い美宇を見る。
美宇はスレンダー美女だからね。
「あー…してない、って言い切れないかも」
って苦笑する美宇を見て驚いた。
だって美宇は喧嘩は二年で止めたって思ってたから。
「え、は?喧嘩止めるっつってただろ」
潤々の顔には美宇の発言に瑠色同様に驚きと、瑠色には無かった怒りの色が見える。
「うん…けどやっぱり急にとか無理みたいでよく喧嘩売られてさ。正当防衛だったんだけど、過去があるからさ。」
先生に怒られちゃった、と力なく笑う美宇は少し寂しげだった。