赤い林檎





もしかしたら潤々の言うことは正しくないのかもしれないし、正しいのかもしれない。

その結果は瑠色にはわからないことだけど、やってみる価値はあると思った。


それに、世間一般に白い目で見られる瑠色たちにとってはいい機会かもしれない。

だからそんな潤々の理想論に付き合ってみてもいいかな、と思えた。


「じゃあ、瑠色がなってあげるよ。」

「え?」

「黒に染まった奴らを、瑠色が白に染め直す役。」

「(黒は白には染まらないけど…)うん、じゃあ瑠色に任せるよ」

「てか瑠色一人じゃないしね。私もいるからさ。」


美宇に微笑まれて、潤々も嬉しそうだった。


「……てか、瑠色は今も不良じゃないのかよ」

「失礼な!瑠色はただ、気に入らない奴に喧嘩売られたから買ってただけだよ」

「「(瑠色、普通は喧嘩買わないから…)」」


そんな二人からの視線には気づかず、潤々に言われた教室に先頭をきって進む瑠色。





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