赤い林檎
「………ギャップ。」
うん、ギャップ。
それもかなりのもの。
「ん?あー、よく言われる~♪」
ころっとまたさっきまでの郁真に戻り、少し調子が狂う。
「…で、誰?」
「…………瑠色の親友。」
「ふーん、瑠色の親友……って女なの?」
こくりと瑠色が頷くのを確認した郁真はあり得ない、と言いたげな視線を美宇に向ける。
「あ。私、小学四年生から瑠色の親友やってまーす。」
と郁真に負けじと少し殺気を放ち、威嚇をした。
ちょ、二人ともやめなって…。
そんな光景を苦笑しながら見つめていると、瑠色のすぐ後ろのドアがガラッと開いた。