赤い林檎
「あ゙?誰だこいつ。なに、お前ら知り合い?」
「俺の親友~♪」
「…………親友、違うから」
ぼそっと答えると、ふっと隣で時雨が吹き出したから、少し首を傾げて時雨を見るとくすくすと静かに笑っていた。
「まだまだ心開いてくれそうにないな。」
「………………ん。」
「ははっ。親友じゃねぇじゃん。」
「これからなんの!李雨に瑠色はあげないからね」
「瑠色?…あぁ、こいつの名前か。はんっ別にいらねーよ」
……え、なんか悪く言われてる。
なに、こいつ…まじ偉そー。
「李雨ちゃん、キツいなぁ~。俺は仲良くしてたい派だな♪」
そう言った煩いほうの男の子は瑠色の席まできて、
「俺、新堂 大和(シンドウ ヤマト)。よろしくなっ瑠色!」
「…ゔ……お、おう…」
ニカッと笑う、大和に少しびくびくしながらも笑って見せる。
「お~、可愛い顔してんじゃん!郁真といい勝負じゃねー?」
「だよねっ!俺も思ったんだぁ。」
「……いいからお前ら、席についてくれ。」
瑠色たちのやり取りを一通り見ていた林が、呆れたように溜め息をついた。