赤い林檎
にしてもあの四人、強いだろうな~とは思ってたけどそこまでだったとは…
あの中でも、ずば抜けてたのは時雨とその兄貴だけど、どっちかって言ったら兄貴のが威圧感を強かった気がするなぁ。
久しぶりに喧嘩も楽しそう、なんて思ったり…
「るーいーちゃん!今なに考えてたんだ、ん~?ほら、お兄ちゃんに言ってごらん。」
突然後ろから頭をぐりぐりされて、その腕を掴み振り返ると、そこには潤々がいた。
「誰がお兄ちゃんだ!何も考えてないし、ばーか。」
「うお、ひでー!普通にしてたら可愛いのにもったいないな~」
「うっさい!」
いきなり昼休みの教室に現れたのは潤々だった。
瑠色にちょっかい出してるけど、美宇に会いに来たのがバレバレだ。
「美宇といちゃいちゃしたいくせに、照れ隠しに瑠色を利用すんな!」
「なっ…ほんと、周りには敏感なくせにな。はいはい、美宇といちゃいちゃしますよ。」
「え、ちょっ潤!?」
驚く美宇をぐいっと引っ張り上げ、そそくさと教室を後にした。