赤い林檎
「…潤さん、美宇にゾッコン。羨ましいなぁ~」
「どこが!相手が潤々とか羨ましいとか思わない」
「瑠色、初そうだもんね」
「なっ…!じゃあ涼は初じゃないのかよぉ」
にやけた顔でからかってくる涼に、少し頬を膨らませながら問いかけた。
「あたし?残念でしたー今彼氏いてるからっ」
「………あそ」
……聞かなかったらよかった。
まぁ人見知りな瑠色に彼氏とか、所詮縁のないワードだよ。
「また三人でこういう話したいなぁ」
「瑠色、ネタないんだけど」
「え、これからじゃん?あんだけ周りにイケメンいてさっ」
「…はい?」
「四神じゃん。し・じ・ん!」
少し声のトーンを落として、瑠色にささやく。
「いや、ないじゃん?まずクラスメートみんな、瑠色のこと男に見えてるし」
「…たしかに。」
「だから、ない。」
瑠色が断言したと同時に、お昼を食堂で食べ終わったのか、四神の四人がガラッと前のドアから入ってきた。