赤い林檎
◇人間、知らないことだらけ。
────……
「潤々っ!瑠色聞いてないんだけどっ」
「え、なにを?」
「とーぼーけーるーなぁ。族(チーム)のことだよ!」
放課後になり、美宇を迎えにきた潤々に詰め寄り、問いただす。
そんな瑠色の剣幕に美宇も少し驚いているみたいで。
「ちょ、瑠色?族って…神牙のこと?」
「え!美宇知ってたのっ!?」
「知ってたもなにも…初めて会ったとき、神牙とやり合ってたときだったじゃん」
「…だっけ?」
「瑠色の記憶力は相変わらず悪いのな…」
……潤々に馬鹿にされたけど、今回はぐっと堪えるとしよう。
それにしても、潤々が特攻隊隊長とか…ちょっと笑える。
「潤々が特攻隊隊長、ね…」
「悪いかよ。これでも信頼されてたんだ!」
少し拗ねたように言う潤々。
ちょっとからかいすぎたかな?
「ごめんて!イメージなかっただけ」
「……瑠色、あんまりフォローになってない。」
「あれ…?」
もう一度潤々を見ると、さらに拗ねていた。