赤い林檎
そんなこんなで、三人でいつもの様に下らない話をしながら、靴を履き替え門へと向かっていた。
「ルーチャーン!」
「ぅわっ!……い、くま?」
「もう帰んの~?」
そう言いながら瑠色の後ろから抱き着いてきた郁真。
その少し後ろに大和が見えた。
「るーいー!」
「わっ!ちょ、重いぃ…」
後ろから被さるように抱き着く郁真の横から、対抗するように大和も抱き着いてくる。
そして、その重さに耐えられずに瑠色の身体はくの字に曲がる。
「……ちょ、いい加減どけろ」
重さに少し苛立った瑠色の口調が悪くなるけど、気にしていられない。
「ルーチャン口悪いよ?」
「郁真の言う通りだー!瑠色、友達にそんな口聞く「いいから退け」……あい」
瑠色の口調と雰囲気に圧され、少し弱く返事をした大和を見て潤々が割り込んできた。
「あんま友達に冷たくすんなよ?」
「まだ友達じゃないし」
「まだ、ってことはなるんだろ?」
「……潤々、なんかうざい」
「瑠色の扱いが上手いと言ってくれ。」
そう言ってドヤ顔で決める潤々に腹が立ったのは言うまでもないよね。