赤い林檎
「出会してどうなったんスか!?」
わくわくした面持ちの大和たちに潤々は笑顔で返した。
「ん?あぁ、喧嘩♪」
「「…………………は?」」
満面の笑みの潤々にひきつった顔の二人。
…ちょっと笑える。
「……それさ、俺ずっと不思議だったんだけど、やっぱ守谷も不良に値する部類だったんだな。」
「過去の話だけどね。中三で私はやめたもん。」
「……私は、ってことはルーチャンはまだ喧嘩とかしてんの~?」
ぴたりと瑠色の右腕にくっついてくる郁真を少し押し返しながら頷く。
「瑠色も喧嘩、強いだろ?」
「……ふつー」
「…普通、ね。てか俺さ、瑠色なら神牙に入ってもいいって思うんだけど。可愛いし、珍しく郁真がなついてるしな。」
「俺、ルーチャン好き!神牙に入るなら絶対特攻隊第二部隊だよ♪」
「「……え?」」
驚きと不思議そうな声色の瑠色と美宇の声が重なる。
「え、は?……ちょ、ちょっと待って!二人とも神牙のなに?」
と、瑠色も思ってたことを美宇が聞く。
「え…俺らメンバーだけど。」
「つか逆に、美宇も瑠色も今まで知らなかったのな。」
「私たちそういうの疎かったからね。」
こくん、と頷く瑠色を見て潤々が今の神牙について説明してくれた。
今は九代目で、潤々の一つ下の後輩にあたる。
特攻隊は第一部隊と第二部隊の二つあり、その二つともをまとめるのが総隊長になる。
その特攻隊総隊長は大和。
特攻隊第二部隊部隊長は郁真。
神牙副総長は時雨。
神牙総長は李雨。
他にも第一部隊部隊長、情報を扱う者、経理の七人から幹部が成り立っているらしい。
「…二人とも凄いんだ。」
「まぁな♪けど潤さんとか李雨たちのほうがかなり凄いけどな」
「だね~。李雨は別格だよ。今なら潤さんにも劣らないよっ」
「言うようになったな。また顔出しに倉庫いくから待っとけよ?」
と、楽しそうな三人を外から見て、美宇と顔を見合わせて笑った。