赤い林檎
「……って、そうじゃなくって!」
和やかな空気のなか、いきなり声を張る大和に四人とも驚く。
「喧嘩したあとどうなったか聞いてないっスよ!」
「あ~忘れてたね。」
「ちょ…郁真おまっ軽くね?」
「だって李雨にルーチャンのこと話したいもん♪」
と、さっきまで離れていた郁真がまた瑠色にくっつく。
…郁真、スキンシップ激しい。
「…結局お前ら聞くのか?」
「聞きますっ♪」
「えーっと…そうそう、喧嘩。俺が知らない間に俺以外の奴等はみんな喧嘩始めて。」
「え、第一部隊と六対二っスか!?」
凄くびっくりした顔で瑠色と潤々を見る大和。
そんな大和に肯定の意を込めて頷くと、余計に驚いた顔をした。
「じゃあ潤さんが気付いたとき、瑠色も守谷もボロボロだったんじゃ…?」
「それがさ、俺が気付いたとき美宇は掠り傷あったんだけど、瑠色は無傷でさ。」
「第一部隊相手に…掠り傷に無傷?あ、有り得ないっスよ!」
「それが有り得るんだよ。しかもその周りでアイツら全員伸びてたんだぜ?いやーびっくりしたよな。」
ははっと笑う潤々に懐かしさから美宇と三人で笑う。