赤い林檎
「ん?」
「……っ!!」
不覚にも、優しい笑顔で小首を傾げた時雨にどきっとしてしまった。
なんか…今の優しいかんじ、紫音に似てる。
そんな思いで時雨を見つめていたら、時雨の後ろに影が見えた。
「……あ…時雨、」
と瑠色が口を開いたときにはもう遅く、時雨は郁真にのし掛かられていた。
…重たそう。
「時雨!ルーチャンの一番は俺だからなーっ」
「ちょ、郁真重いから。」
「郁真は瑠色大好きだな~、瑠色が羨ましい!」
「大和…ごめん俺、大和のことそういう目で見たこ「うん、見なくていいから!」……そぉ?」
きょとんとした顔のまま大和を見る郁真。
冗談か本気か、分かりにくい人だ、と改めて思った。
「瑠色、遠足今年はいこう?」
「でも…」
ね?と可愛く瑠色を見る美宇には参った。
こんなの男はすぐ堕ちちゃう!
むしろ、勘違いして期待しちゃうよ。